何十年も海外で暮らしていたアーサー・クレナムが、英国に帰って来た。しかし、母はなぜかアーサーに冷たくあたる。亡くなったばかりの父についてもある謎が浮かび上がり、アーサーは真相の追究を決意する。アーサーの母のお針子をしているリトル・ドリットとよばれる物静かで心やさしい少女は、夜になると監獄マーシャルシーに帰って行くが、そのことと何か関係があるのだろうか。ドリット家のことを探っているうちに、アーサーは母親にも秘密があることに気づく。だがその秘密を突き止めようと夢中になるあまり、自分の幸せが手に届くところにあることに気づかない…。