そのはじまりは、1920年代初頭の東京だった。秋田から東京の大学教授の家に貰われてきた子イヌのハチは、愛情たっぷりに育てられ、教授との絆を深めていく。毎朝教授が出勤するときには渋谷駅まで一緒に行って見送り、帰宅時には駅前で出迎えた。そんな様子を見ていた町の人たちも、次第にハチをあたたかく見守るようになる。焼鳥屋の息子ノブもその一人だった。そんなハチを襲った突然の不幸。その日からハチの運命はすっかり変わってしまった…。友達としてハチをずっと見守ってきたノブを通して語られる、「忠犬ハチ公」真実の物語。